「たくさんの雨が降っているので、逃げてください」から始まるんです

 

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「シュトラスブールの雨傘」について聞かせてください。このアルバムは、「Talkinghead」から始まりますね。

 

エミル:「Talkinghead」の意味は、例えば世界規模で戦争が起きたりするとき、国民の家庭のテレビに大統領の顔を映すらしいんです。「危ないですよ、逃げてください」と、緊急事態を宣言する。その行為を “talking head” と呼ぶんです。

「シュトラスブールの雨傘」では、一番最初に雨が降ってきます。「たくさんの雨が降っているので、逃げてください」と。それが曲のタイトルの「Talkinghead」になっています。

2曲目の「神の庭」は、「生活の海」の中に入っていた曲です。この曲では、「自由になり、好きなように生きることの厳しさ」が、神に用意された試練だと表現しています。

 

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3曲目の「教会と白い朝」はアップテンポで、ギターのクリーンな音と軽やかなリズム、そしてエミルさんの歌が絡み合う爽やかな印象の曲です。でも爽やかだけではなくて、sheeploreらしい、少し儚くて寂しいイメージもありますよね。

 

わか:オルタナ・キッズの心を掴むような曲ですよね(笑)。 「アルフェヴァンスの窓」というアルバムの中に「樹海」と「黒い夢」という曲が入ってるんですが、その2曲の正反対にある曲なんです。

エミル:「アルフェヴァンスの窓」が暗い作品だったので、次は明るいものを作りたいと。タイトルは、言葉遊びで「教会と白い朝」という明るいイメージのものをピックアップしました。

 

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「外に出ていろんな思い出を作っておけば、うまくいったかもしれないね」と歌っていて

 

4曲目の「Apart of your world」は、ディレイがかかったギターが重なり、幻想的なイメージを想起させます。サビでポップになるけれど、それ以外の部分はダークな印象の曲ですね。

 

エミル:この曲は、「Room」のコンセプトとイコールの曲なんです。理想的で、まわりが見えていない2人だけの世界。シングル向けの曲ではないですが(笑)。どろっとしていて、サイケデリックで、70年代のドラッギーなイメージを曲にしました。

 

5曲目は、MVにもなっている「rainy rainy」。この曲の中に「外に出ればよかった」というメッセージが出てきます。それは、”後悔” という意味をはらんでいるのでしょうか。

 

エミル:「rainy rainy」に出てくる2人は、実は別れているんです。そしてお互いの記憶を回想している曲なんですよ。「外に出て、いろんな思い出を作っておけば、うまくいったかもしれないね」と歌っています。

 

6曲目の「Melancholia」は、もしかして映画の……?

 

エミル:正解です(笑)。ラース・フォン・トリアーの作品が好きなんです。映画のタイトルをとってきたのは、曲とモチーフが似ているからです。曲の中には、映画とは別の主人公がいるんですけどね。

 

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