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映画「シン・ゴジラ」公式サイト

 

2016年7月29日、「シン・ゴジラ」が全国の劇場で公開された。本作では、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの監督として広く知られる庵野秀明監督が、脚本・編集・総監督を務める。監督・特技監督は、「ローレライ」や「日本沈没」の監督として知られる樋口真嗣監督。キャストは、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみをはじめ、総勢328名が出演する。

 

「シン・ゴジラ」の総監督である庵野監督ってどんな人?

 

 

庵野秀明は、1960年5月22日に山口県で生まれた。学生時代、「風の谷のナウシカ」の原画担当として採用され上京する。その後、アニメーターとしての活動を広げ、「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」、そして「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの監督を務めることになる。2002年には漫画家の安野モヨコと結婚。現在は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの制作も進行中だ。アニメ監督としての印象が強い庵野監督だが、実は過去に、「シン・ゴジラ」以外にも実写映画を撮ったことがある。

 

庵野監督による初の実写映画「ラブ&ポップ」

 

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映画.com

 

1998年、庵野監督の初の実写映画となる「ラブ&ポップ」が公開された。原作は村上龍による1996年に出版された同名小説だ。この作品では、渋谷を舞台に繰り広げられる女子高生の援助交際の実態が、家庭用のデジタルビデオカメラでリアルに映し出されている。主人公の裕美を演じるのは三輪明日美。退屈な日常の中で、好奇心から友人と援助交際に手を出すものの、徐々にエスカレートする行動に翻弄される女子高生を演じる。

 

当時まだ無名であった仲間由紀恵が出演していた

 

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日本映画専門チャンネル

 

「ラブ&ポップ」には、当時まだ一般的に知名度の低かった仲間由紀恵が友人の女子高生役で出演している。他にも物語のキーマンとなる浅野忠信や希良梨など、豪華なメンバーが名を連ねているのだ。家庭用ビデオカメラで撮影され、援助交際という際どいテーマを題材にした作品の中で彼らを観られるのは、貴重な体験である。

 

庵野監督は「ラブ&ポップ」で何を描いたのか

 

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映画.com

 

「ラブ&ポップ」では、何不自由のない家庭で育った裕美をはじめ、当時のリアルな女子高生像が描かれている。大流行したルーズソックスと制服の短いスカートをまとう彼女たち。”渋谷”という刺激的な町で、少女たちは冒険を繰り返していく。彼女たちは、自分が”女子高生”という大きな価値を持ち、消費され、お金に変換されることを知っている。だからこそ、主人公の裕美は写真を撮り続ける。援助交際で手に入れた金銭でカメラを買い、自分たちの”女子高生”でいられる雄姿を記録し続けるのだ。

映画の中では、家族との会話や学校での姿や恋人とのやりとりも映し出される。「繰り返される日常が少しずつ崩壊しても、自分には帰る場所がある」このような状況も、リアリティとして描かれている。

 

観る者の記憶に焼き付けられる「ラブ&ポップ」のエンディング

 

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日本映画専門チャンネル

 

「ラブ&ポップ」といえば、エンドロールが特徴的だ。エンドロールでは、三輪明日美が歌う「あの素晴らしい愛をもう一度」に載せて、4人の女子高生たちが渋谷川を制服姿で歩く。赤茶色の水の中、白いルーズソックスを汚しながらひたすら歩き続ける。「4人には立ちはだかるものは無い」とでも言いたいかのように、颯爽と汚れながら歩く彼女たちは、「ラブ&ポップ」を象徴するといっても過言ではない。

 

「ラブ&ポップ」で友情特殊技術を務めた樋口監督

 

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Youtube「シン・ゴジラ」予告

 

「シン・ゴジラ」の樋口監督は、「ラブ&ポップ」で友情特殊技術を務めた。また、「シン・ゴジラ」で准監督・特技統括を務める尾上克郎は、「ラブ&ポップ」において”デジタル操演”としてクレジットされている。つまり、庵野監督とは長きにわたる盟友ということになる。

 

「シン・ゴジラ」は全国の劇場で上映!

 

「シン・ゴジラ」には”現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)”というキャッチコピーがつけられている。エヴァンゲリオンだけでなく、庵野監督がかつて制作した実写映画「ラブ&ポップ」のことも頭の片隅に置いておくと、新しい見方ができるかもしれない。いずれにせよ、2016年の夏、「シン・ゴジラ」が日本を席巻することは間違いなさそうだ。

 

関連リンク
映画「シン・ゴジラ」公式サイト