本当に聴いてほしい自信作が出来た
Plot Scraps Vocal & Guitar
スヤマリョウタ
自己紹介をお願いします。
Plot ScrapsのVocal & Guitarを務めるスヤマです。Plot Scrapsは、ベーシストのかめやん(亀山敦史)と知り合って、しばらくはサポートドラマーを加えながら活動していました。2014年3月に、初となる企画イベントを渋谷乙で開催して、同じ年の12月に現ドラマーのもぐが加入しました。
9月10日にDouble A-side CDとして、「Lei chen schaen dung」がリリースされますね。
本当に自信作と呼べる作品が誕生しました。タイトルの読み方は、「ライヒェンシェンドゥング」。4曲入りで、新曲が2曲と、再録した2曲が含まれています。「アムニージア」と「シャーデンフロイデ」は新曲なのですが、とくに「アムニージア」では新しいPlot Scrapsを感じていただけるはずです。
「アムニージア」と「シャーデンフロイデ」のMVが公開されました。
1本のMVの中で、2曲が繋がる構成になっています。実際にMVを見ていただくとわかると思うのですが、前半と後半でまったく質感の違う映像になっています。
1つのMVの中で、2曲を繋げたのは理由がありますか?
Plot Scrapsは音楽の振り幅が広いです。なので、そこをMVでも表現してみたかったんです。対照的な2曲をぶつけて、見たときに「何が始まったんだ?」というような感覚に陥ってしまう作品にしたいと考えていました。
僕は、曲の書き方が今と昔でまったく異なります。「アムニージア」と「シャーデンフロイデ」は、別々の方法で書かれました。「アムニージア」は、これからの新しいPlot Scrapsを体現しています。「シャーデンフロイデ」は昔の曲の書き方で作りました。シャウトも入ってるし、キックも鬼のように入っているし(笑)。まさに昔のPlot Scrapsなんですね。歌詞も、今僕が書くイメージの歌詞ではないですが、あえて今と昔の書き方をぶつけてみました。
再録の音源に対する思いとは
3曲目の「グリニャール」と4曲目の「Cinder」は、なぜ再録することになったんですか?
「Lei chen schaen dung」は、「グリニャール」と「Cinder」の2曲に意味が込められています。2014年に「pale green」というデモアルバムを出したのですが、2曲ともその作品に入っています。「pale green」に入っている10曲は、すごく気に入っているんですよ。でも、実は思うところがあって。
当時の僕の歌唱力が、曲の良さを殺してしまっているのです。肉体がついていっていないせいで、曲にボーカルが負けている。「pale green」という作品を愛しているにも関わらず、申し訳ないことをしたなと感じていたんです。
そこで、今回「グリニャール」と「Cinder」をもう一度レコーディングすることにしました。その結果、やっぱりすごく良くなって、生まれ変わって。花を添えることが出来た。「Lei chen schaen dung」というタイトルの意味合い的には、「グリニャール」と「Cinder」にかかっているんですよ。
レコーディングは順調に進みましたか。
6月に録ったのですが、1日に5曲ほど一気に録音しました。今回録ってくれたのは、sheeploreのエミルくんです。ミックスは渋谷乙の花島さんにお願いしました。実はPlot Scrapsの音源において、録音とミックスは、初めて外部の方に頼みました。
僕は、すごくあまのじゃくなところがあって。普通のバンドが一番最初にやるようなことも、”周りがやっているからやる”ということでは、自分自身の動機にならないです。だけど今回は、ドラムが生音であること、メンバー全員がレコーディングに参加すること、ボーカルのマイクをコンデンサーマイクで録ること、そしてミックスを外部の方にお願いすること……。こんな当たり前のことを決めてレコーディングを計画しました。
それは、メンバーのバンドに対する考え方が巡りめぐって、今Plot Scrapsとして本当に表現したいことの答えがわかったから可能になったのです。